
2017 , Slowdive - Slowdive ,
Songwriter : Neil Halstead ,
🌙 **22年ぶりの再生アルバムの中で輝く、静かな内省の歌**
イギリスのドリームポップ/シューゲイザーの代表的バンド、Slowdive。
2017年に発表されたセルフタイトルアルバム『Slowdive』は、1995年の『Pygmalion』以来、実に22年ぶりとなる奇跡の再結成アルバムとして大きな話題を呼んだ。
そのアルバムの6曲目に収録されているのが、「No Longer Making Time」である。
この曲は、アルバムの中でも特に静かで内省的な空気をまとった作品であり、バンドが長い歳月を経て再び歩き始めたことを象徴するような、深い余韻を持った楽曲だ。
🥁 **ドラマー Simon Scott の復帰**
このアルバムでは、ドラマーのSimon Scottが参加している。
彼は1993年の名作『Souvlaki』以来のレコーディング参加であり、バンドの音楽的な「帰還」を象徴する存在でもある。
Scottのドラムは決して前面に出るものではない。
しかし、静かなビートはまるで遠くの波のように曲を支え、空間的で幻想的なサウンドに柔らかなリズムの呼吸を与えている。
🌫️ **ノイズよりも、メロディーの美しさ**
Slowdiveはしばしば「シューゲイザー」と呼ばれるジャンルに分類される。
だがこの曲を聴くと、そのイメージは少し変わるかもしれない。
確かにギターは空間的に重なり、霞のように広がる。
しかし、中心にあるのはノイズではなく、ソングライターであるNeil Halsteadの生み出す、どこまでも美しいメロディーだ。
その旋律は、派手さを求めるものではない。
むしろ、静かに心の奥へ沈んでいくような、繊細で感情的なラインを描いている。
💔 **愛、失恋、そして時間の流れ**
歌詞は、愛の記憶と失われた時間を静かに見つめる内容だ。
> “no longer making time”
> “just holding your arms”
この言葉は、忙しく過ぎ去る人生の中で、ただ誰かの腕の中にいる瞬間の大切さを思い出させる。
さらに、
> “holding on till the fear, it goes”
というフレーズには、愛の中で感じる不安や恐れを、ただ抱きしめながらやり過ごすような、人間の弱さと優しさが滲んでいる。
🌌 **ノスタルジアに包まれたドリームポップ**
Slowdiveの音楽には、独特のノスタルジアがある。
それは過去を懐かしむ感情だけではなく、「時間そのもの」を優しく包み込むような感覚だ。
この曲のギターの残響、漂うシンセ、そして静かなボーカルは、まるで夕暮れの海のような広がりを作り出す。
急ぐ必要はない。
時間を追いかける必要もない。
ただ、そこにある感情を静かに感じるだけでいい。
「No Longer Making Time」は、そんな穏やかなメッセージを、夢のようなサウンドで伝えてくれる。
そしてそれは、22年の沈黙を越えて戻ってきたSlowdiveというバンドそのものを象徴する歌でもあるのだ。
ゆっくりと流れる時間の中で、
人はもう一度、音楽と再会する。 🌙
🍋
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